むし歯や歯周病などお口のトラブル予防には、お口の清掃が大切です。この基本となるのが毎日の歯磨き。しかし残念ながら、よく歯磨きをすることとむし歯などのトラブルの有無は必ずしもイコールではありません。もちろん、歯磨きをしないよりはした方が良いのですが、生活習慣や歯並び、磨き方の影響も避けられません。
特に手ごわいのは歯石です。歯石は毎日の歯磨きで取ることができず、むし歯や歯周病の原因となる細菌の住みかとなり、お口のトラブルの原因となってしまいます。
歯科医院で、「歯石を取りましょう」と言われたことはありませんか?歯石を取ることを目的として歯科医院に行ったわけではないのに、歯石取りをすすめられるのは、むし歯や歯周病を予防するという意味があるからです。
歯石が取れると歯の表面はつるつるになり、爽快感さえ感じることがあるのですが、実は、この歯石取りを苦手と感じる方もいます。
歯石取りを苦手とする理由の一つは、痛み。苦手とする人の中には、むし歯の治療などより痛いという声もあります。本来、歯石取りはお口が健康であれば痛くないもの。痛みの原因は歯肉炎などの歯茎のトラブルや、知覚過敏などです。
歯石がつきやすい歯茎と歯の境目はもともと敏感な場所。日ごろから意識的に磨くことで歯石がつきにくくなり、刺激になれることで歯石取りの痛みも出にくくなるでしょう。
歯石を取る際の機械音が苦手という人もいます。音とともに痛みが走り、血が出ると不安になるかもしれませんが、苦手な音の原因は超音波スケーラーという歯石を取るための機械だと思います。歯を削る機械ではありません。
歯石取りには機械を使う方法の他に、手作業で取る方法があります。それぞれに長所短所がありますが、機械音がどうしても苦手な方は手作業でやってもらえないか聞いてみてはいかがでしょうか。
歯石取りは、歯を削ったり神経を抜いたりする治療とは異なり、お口のメンテナンスの一つです。毎日の歯磨きと合わせてお口のメンテナンスをすることで、むし歯や歯周病のリスクを減らし、自分の歯を守ることができます。痛みや音が気になるかもしれませんが、終わったときは、きっと歯も心もすっきりしていることでしょう。最近、歯石を取ってもらっていないという方、近いうちに歯科医院で取ってもらってはいかがでしょうか。