食べ物を良く噛むように――。
小さいころなど、よく言われたことはありませんか?
食べ物を飲み込むには噛み砕いて小さくする必要があるので、
誰でも食べ物を食べる時に咀嚼するのは当たり前といえますが、
では”良く噛む”ことでどんな効果があるのでしょうか?
子どもが噛むのを疎かにして食べ物をのどに詰まらせないため、
なんて理由もありますが、実は”良く噛むこと”にはいろいろな効果があるんです。
皆さんが良く知っている理由としては、喉に詰まらせないため、
消化を良くするため、などがあげられると思います。
良く噛むことで胃袋に掛ける負担を少なくしているのも事実です。
歯医者の観点から言うと、噛むことで唾液の分泌が多くなり、
虫歯になりにくくなるという効果がありますね。
ですが”咀嚼”の力はそれだけではありません。
良く噛むことで得られる効果には、もっと大きなものも含まれているんです。
まず第一に、良く噛むことで『考える力を高める』という効果があります。
良く噛むことで脳の神経細胞を破壊する”ベータアミロイド”
というたんぱく質を分解することができ、脳の働きを活発にし、
集中力や判断力を高めることができるのです。
第二に、がんやアレルギー性の病気予防に役立つ効果があります。
噛むことで唾液の分泌が促され、唾液に含まれている”ペルオキシダーゼ”が増えることで、
がんを引き起こす恐れのある活性酸素を抑えてくれる効果があり、
また、良く噛んで消化吸収をよくすることでアレルギー反応を抑え、
予防することも可能です。
第三に、上記にもありますが、『歯を丈夫にする』効果があります。
唾液の分泌により歯の表面が酸に溶かされるのを中和し、
また、噛むことで顎の力をつけ、歯を支える骨の部分を刺激し、丈夫な歯を作ってくれます。
また、良く噛むことで歯並びや発音にも良い影響を与えてくれるため、
良く噛むことは健康な口内を作るためにもとても重要なんです。
良く噛んで健康な口内を作っていけば虫歯や歯周病の予防もできますし、
歯医者に行って痛い思いをすることもぐっと少なくなります。
口内環境をよくするためにも、今日からよく咀嚼しての食事を始めてみませんか?